30.作成アカウント毎に送信先制限をしてみよう

作成アカウントごとに送信先制限を行う

E-Post Mail Server シリーズは、セキュリティーを強化するオプションとして、作成アカウントごとに送信先制限を行うことが可能だ。

この機能は、主に「情報漏えいを事前に防ぐ」目的に利用する。以下のような用途に用いることができる。

  1. 社員に与えた社内用メールアドレスでは、外部にメールを送らせないようにする。
  2. 2種類以上の異なるドメインのアカウントを使っているとき、社内LAN専用アカウントからの送信を外部に送らせない。(例:LGWANアカウントでのメール送信が、誤って外部に送られないようにする等)
  3. 社内(あるいは学内)でのみのメール送受信に限定したい。
設定手順は次の通りだ。E-POST Account Managerを起動、左側からドメイン名下のuserを選択してから、右側のアカウントを選択、右クリックメニューから「送信先制限」を選択する。

すると、設定テーブルファイル(sender.dat)が表示されるので、送信を許可する送信先をアドレス表記する形で記述する。複数の送信許可がある場合は、1行単位で追加していく形となる。
なお、送信許可するアドレスには、「*@domain.jp」のような表記方法を使って、ワイルドカード指定も可能だ。テーブルに許可する送信先がないか、設定テーブルファイルそのものが存在しない場合は、送信先制限機能は特に働かない。
次の設定では、"*@test-sample.jp" のみ送信許可が設定されることにより、user1アカウントからは、"test-sample.jp" ドメイン宛のみの送信に限定される動きになる。

telnet 192.168.0.103 smtp<CR>         ←自分で入力する内容
220 test-sample.jp E-POST ESMTP Receiver (4.xx)...... →SMTPサービスが応答を返す
EHLO<CR>                   ←拡張SMTPであることを宣言
250-test-sample.jp Hello [xxxx.xxx.xxxx.xxxx], pleased to meet you
250 AUTH PLAIN LOGIN CRAM-MD5      →SMTP認証可能であることを回答
AUTH PLAIN AFVzZXIxQHRlc3Qtc2FtcGxlLmpwAHVzZXIxMjM0<CR>
                          ←PLAINでアカウントとパスワード送信
235 Authentication successful.          →SMTP認証OK
mail from: <user1@test-sample.jp><CR>  ← user1@test-sample.jp から
250 <user1@test-sample.jp>... Sender ok. →送信者OK
rcpt to: <other1@other-domain.jp><CR>  ← other@other-domain.jp あてへ
550 Please mail to a valid e-mail address.  → 送信先NG
rcpt to: <user2><CR>                 ← user2 あてへ
550 Please mail to a valid e-mail address.  → 送信先NG
rcpt to: <user2@test-sample.jp><CR>    ← user2@test-sample.jp あてへ
250 <user2@test-sample.jp>... Recipient ok. →送信先OK
data<CR>                          ←ヘッダと本文の書き始め
354 Start mail input;id <BXXXXXXXXXX> end with <CRLF>.<CRLF> 
subject: test<CR> 
from: <user1@test-sample.jp><CR> 
to: <user2@test-sample.jp><CR> 
<CR> 
test.<CR> 
.<CR>                             ←データ終わりのピリオド
250 Message received ok.              →メールを受け付けたことを示す
quit<CR>                           ←接続終了
221 test-sample.jp closing connection. 

下線の箇所がコマンドプロンプトから入力する内容。<CR>は、改行を示す。

設定テーブルファイル(sender.dat)に "*@test-sample.jp" が設定されたことによって、user1アカウントからは、<other1@other-domain.jp>も、<user2>も送信が認められず、"test-sample.jp"ドメイン宛のみ、つまり<user2@test-sample.jp>の送信が許可される結果となる。
なお、「送信先制限」の同じ設定を他のアカウントにも流用したい場合は、user1のメールボックスフォルダ内に保存されている【sender.dat】を他のアカウントのメールボックスフォルダに単純にファイルコピーしてやればよい。


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