b.パブリッククラウドから、「適材適所」のハイブリッドクラウドへ new!
2025年現在、ITインフラのトレンドは、パブリッククラウド一辺倒から、用途に応じて最適な基盤を組み合わせるハイブリッドクラウドへと移行が進んでいます。
ハイブリッドクラウドとは、自社で管理するオンプレミス環境やプライベートクラウドと、インターネット経由で提供されるパブリッククラウドを組み合わせて運用する形態です。多くの企業が採用する主な理由は、各基盤の長所を組み合わせ、柔軟で最適なIT環境を構築できる点にあります。

ハイブリッドクラウドの主なメリット
- 柔軟性・拡張性
パブリッククラウドの伸縮性を活かし、需要に応じてリソースを増減可能。たとえば繁忙期のアクセス急増時に負荷分散できます。 - セキュリティ・コンプライアンス
機密性の高いデータや基幹系はオンプレミス/プライベートに置き、それ以外はコスト効率の高いパブリックに配置するなど、データ特性に応じた最適配置が可能です。 - コスト最適化
すべてをオンプレミスで維持するより、従量課金の利点を活用して全体コストを最適化できます。 - 事業継続計画(BCP)
複数環境への分散やバックアップにより、障害・災害時の復旧性(レジリエンス)を高められます。
併存する課題
- 運用・管理の複雑化
マルチ環境により構成が複雑化し、運用手順や監視の統合が必要。専門知識・体制の確保が求められます。 - セキュリティポリシーの統一
環境ごとに要件が異なるため、認証・認可・ログ管理などを横断で統一する仕組みが必要です。 - コスト管理の可視化
契約や課金体系がまたがるため、タグ付け/チャージバック等で利用実態を見える化しないと予測が難しくなります。
ハイブリッドクラウドは、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するうえで重要な基盤であり、AI・IoT・エッジコンピューティングの普及に伴って、今後も活用が加速すると見込まれます。