マルチドメイン設定時に送信元IPとしてデフォルトIP以外の追加IPを設定する方法 new!
E-Postシリーズでマルチドメイン設定しているとき、送信元IPとしてネットワーク設定に登録されたデフォルトIPで強制的に送信されることになります。これはE-Postシリーズの仕様です。
しかしながら、場合によってはデフォルトIPではなく、追加したIPを送信元IPに設定する必要性が出てくるケースがあります。たとえば、マルチドメイン設定時にそれぞれのドメインにDMARCを設定する際は、メールサーバ側の受信IPと送信元IPもそれぞれドメイン毎に異なるIPを割り当てておく必要が出てくるケースがあるかもしれません。
E-Postシリーズでマルチドメイン設定時に、送信IPをデフォルトIPではなく、追加したIPに設定したい場合の具体的な手順は以下の通りです。1.については既出記事でよく知られていますが、特に 2.の設定作業が重要になります。
1. [接続ドメイン/IPで区別する]方式でマルチドメイン作成
受信IPについては、元あるドメインも追加する新規ドメインもどちらも[接続ドメイン/IPで区別する]方式の設定にしておき、先行のドメインに割り当てたデフォルトのIPアドレスとは異なるIPアドレスを追加し、その追加IPアドレスを割り当て設定します。
※下記に引用したマルチドメイン設定時のFAQ記事をご参照ください。
2. 送信元IPをレジストリで設定
送信元IPについては以下レジストリ値を設定し、それぞれのドメインに対するIPアドレスを明示設定しておきます。
※未設定では、SMTP送信時には、Windowsネットワーク設定にあるデフォルトのIPアドレスが送信元IPとして固定されてしまうためです。これはE-Postシリーズの仕様なのですが、実は下記に述べているようにレジストリで変更可能です。
以下のレジストリを記述設定、まず 設定Aで MTAIPOn=1 を設定し、続いて設定Bでエンベロープの送信元ドメインに対するIPアドレスをバイナリ値で手動設定します。設定後は、EPSTDSサービスの再起動が必要です。
-----------------(設定A)--------------------
"MTAIPOn"をDWORD値(32ビット)で作成、設定値を 1 にする。
〔レジストリ〕
HKEY_LOCAL_MACHINE
→SYSTEM
→CurrentControlSet
→Services
→EPSTDS
→MTAIPOn (DWORD) 0:しない 1:する (デフォルト:0)
-------------------------------------------------
------------------(設定B)--------------------
"MTAIP"のキーを作成、送信元エンベロープのドメイン名をバイナリ値で定義して、バイナリ値を入力、ドメイン毎の送出IPを指定する。
〔レジストリ〕
HKEY_LOCAL_MACHINE
→SOFTWARE
→EPOST
→IMS
→Domain
→MTAIP
→[送信元エンベロープのドメイン名] 送信IPアドレス バイナリ値
[例] [送信元エンベロープのドメイン名]が"hogehoge.jp"で送出IP=(172.20.116.4)とする場合(バイナリ値で指定)。
→hogehoge.jp 値="31 37 32 2e 32 30 2e 31 31 36 2e 34"
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(関連FAQ)
●E-Post Mail Server (x64) / E-Post SMTP Server (x64) で使用している設定ファイル&レジストリ
●別々のIPで複数ドメインを割り当てる場合(グローバルIPで直接公開)
●別々のIPで複数ドメインを割り当てる場合(ローカルIPをルータの静的マスカレード機能で割当て公開)