メールクライアントのPOP3受信タイミングが短いケースで logon overlap のエラーが持続してしまう場合
メールクライアントのPOP3受信タイミングが短いケースで logon overlap のエラーが何度も表示されてしまいこれがしばらく持続してしまう場合があります。これを防止するにはE-Post Mail Server側のPOP3サービス無通信タイムアウトの値を短くすると改善する可能性があります。
メールクライアントのPOP3受信タイミングが短いケース、たとえば最短の1分間隔でPOP3自動受信を行っているときに、logon overlap のエラーが続いてしまう現象が発生する理論的な背景は、次のようなものです。
- メールクライアントから、何らかの原因により、たまたまメールサーバ側に二重ログインを防止するための制御ファイルである "$lockfile" が残ってしまうことがある。
- メールサーバの仕様としては、万が一残ってしまった "$lockfile" があった場合、デフォルトで5分以上の間隔をおいてアクセスされると、"$lockfile" を自動的に削除してから、POP3ログインさせるように処理している。
- ところが、メールクライアントから最短の1分間隔による自動受信が継続されたため、ずっと $lockfile を自動削除できず、logon overlap のエラーが持続してしまう可能性が考えられる。
これに対しては、やはり全メールクライアント側のPOP3受信設定時間のポリシーを見直していただくことが第一義かと思いますが、メールサーバ側の設定を見直すときは、次の方法で改善できる可能性があります。
以下の通り、無通信状態タイムアウトに関するレジストリ値を変更することにより、5分の間隔を短くします。
デフォルトで 300(秒)= 5分になっていますので、これをたとえば 60(設定値では10進数で60[sec])を設定した上でようすを見ます。なお、変更後は、EPSTPOP3Sサービスの再起動が必要です。
HKEY_LOCAL_MACHINE
SYSTEM
->CurrentControlSet
->Services
->EPSTPOP3S
->Timeout (DWORD Default 300)sec 無通信状態タイムアウト
※"Timeout"が作られていない場合は、DWORDを指定して作成してから、値を10進で"60"となるよう入力してください。
なお、この設定値は、"$lockfile" を削除する設定時間でもあると同時に、無通信状態タイムアウトの設定時間でもありますので、使用するユーザー環境が、ナローバンド回線のような低速回線で使用する場合は、あまり短くすると支障がある可能性も考慮してください。低速回線で、かなり大きめのメールデータを頻繁に使用する環境では、むしろ逆に無通信状態タイムアウトの値を伸ばして対処するケースがあります。一方で使用するユーザー環境が、ブロードバンド回線環境であれば、短くしてもほとんど問題ないと思われます。
二重ログイン防止の制御ファイル"$lockfile"について
E-Postには、二重ログインを防止する制御ファイル "$lockfile" を完全に無効にするオプションは存在しません。その理由は次の通りです。
メールクライアントがセッションを終了した後に、E-Post側でメールファイルの一括削除等、後処理が行われます。この後処理時間がファイルアクセスの負荷の面から見て、弱冠の時間が必要であることと、また後処理中に再度ログインされて不整合状態のメールボックス情報を再ログインしてきたクライアントに渡さない目的もあります。