メールサーバマシンにアンチウイルスソフトを同居させるときの注意点(重要)


E-Post Mail Server/SMTP Serverシリーズを導入・構築したサーバマシンに対し、サードパーティ製アンチウイルスソフトをインストールして、サーバマシンに対するウイルス検出を行う場合、「メール作業用フォルダ」下のすべてのフォルダ、及び「メールボックスフォルダ」下のフォルダの常時監視=リアルタイムスキャンを行わないように除外設定してください。また、Windows Server に標準で備わっている Windows Defender も同様です。「除外」-「除外の追加」で同様の設定を行ってください。これは常時監視を行うようなバックアップソフトなどでも同様なことが言えます。
ここであげた対策を取らないまま、サードパーティ製アンチウイルスソフトによって「メール作業用フォルダ」「メールボックスフォルダ」下にあるフォルダの常時監視やスキャンを行った場合、メール送受信処理との間で各フォルダ内にあるファイルの競合(ファイルの取り合い)が発生し、メール送受信時に予期しない問題が発生する可能性があります。万が一、ファイルの取り合いの事象が発生すると、最悪のケースでは、サービスプログラムがアプリケーションエラーを起こして停止してしまう原因になります。サービスが止まらないまでも、メールデータが詰まってしまう現象になったり、クライアントへの応答速度が極度に遅くなったり、CPU占有率が50%以上で高止まりする現象や、負荷が小さい状態にもかかわらずCPU占有率が100%近くに上がったりする現象として現れることがわかっています。
またクライアントPCから、システム管理者がネットワークごしにメールサーバのドライブを開いたときにも、そのおそれがあります。ネットワークドライブもリアルタイムスキャン対象からはずしてください。
「メール作業用フォルダ」下すべてと「メールボックスフォルダ」下すべてに対して、アンチウイルスソフトの常時監視対象外とする設定、いわゆる除外設定を必ず行ってください。それでも動きがおかしいときは、アンチウイルスソフトの関連サービスプログラムをすべて完全に停止させてみて動きを確認してください。
また、E-Post方式クラスタ構成のとき、メール作業用フォルダをネットワーク共有ドライブに指定しますが、EPSTRSサービスが受領時にデータを展開する "temp" フォルダについて、シングルサーバ構成時には [メール作業用フォルダ]\temp フォルダを使用する代わりにローカルドライブである(C:\Program Files\EPOST\MS\temp)を代替先として使います。E-Post方式クラスタ構成のときは以下を追加設定をしてください。
また、Enterprise II (x64) / Enterprise II 版では、次のフォルダを添付ファイルを一時展開する作業フォルダとして使用するため、除外設定に加えてください。さらに「プログラムインストールフォルダ」下のパターンファイル保管フォルダやパターン更新ログフォルダについても、除外設定することを推奨します。やはりファイルの競合が発生する可能性があります。
また、アンチウイルスソフトがSMTPプロトコルのデータ、POP3プロトコルのデータを自動的にスキャンして検出するような設定を行っている場合、ソフトの動作によっては、送受信の時間が極端に遅くなる場合がありますので注意してください。
なお、受信・送信ポート番号を細かく指定変更できるプロキシタイプのソフトウェアを同じマシンに共存させる場合は、原理的に言って、リアルタイムスキャンによるファイルの取り合いが発生しないことから、ここであげた注意は不要かと思われます。